🌸大悪起これば、大善来る
人生には、どうしてこのようなことが起こるのだろうと思うほど、つらい出来事があります。
病気、事故、災害、大切な人との別れ、人間関係の苦しみ、生活への不安――。
どれほど真面目に生きていても、突然、目の前が真っ暗になるような出来事に直面することがあります。
そんなとき、「もう希望などない」「この苦しみは、いつまで続くのだろう」と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、日蓮大聖人様は『大悪大善御書』に、
「大事には小瑞なし。大悪をこれば大善きたる。すでに大謗法国にあり、大正法必ずひろまるべし。各々なにをかなげかせ給ふべき」
(御書七九六頁)
と仰せられています。
「大悪が起これば、大善が来る」
この御言葉は、ただ苦しみを我慢していれば、自然に良いことが起こるという意味ではありません。
大聖人様は、大謗法が国中に広がる末法の濁悪の時代だからこそ、一切衆生を救う大正法が必ず広まると御示しになられたのです。
大悪が大きければ大きいほど、正しい仏法を弘め、人々を救っていかなければなりません。
それは、暗闇が深いからこそ、灯された一つの光が、より明るく輝くことにも似ています。
🌸苦しみを、信心の力で乗り越える
私たちは、苦難に遭ったとき、「なぜ自分だけが」と嘆いてしまいます。
もちろん、深い悲しみの中にいる人に、簡単に「大善が来るから大丈夫」と言うことはできません。
悲しいときには、悲しんでよいのです。
涙が止まらないときには、無理に笑う必要もありません。
けれども、どれほど苦しい冬の中にあっても、御本尊様に向かい、南無妙法蓮華経と唱え続けるならば、その苦しみに負けない強い生命力と、再び立ち上がる智慧と勇気をいただくことができます。
信心とは、苦しみのない人生を願うだけのものではありません。
どのような苦難が起きても、それを乗り越え、宿命を転換し、自分だけでなく周りの人をも励ましていける幸福境涯を築くためのものです。
苦難によって人生が終わるのではありません。
その苦難をきっかけとして、これまで気づかなかった大切なことに気づき、人の痛みが分かる自分へと成長し、より強く、より慈悲深く生きていくこともできるのです。
🌸「冬は必ず春となる」
日蓮大聖人様は『妙一尼御前御消息』に、
「法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる。いまだ昔よりきかずみず、冬の秋とかへれる事を」
と仰せられています。
冬が永遠に続くことはありません。
冷たい風が吹き、草木が枯れたように見える冬の間にも、大地の中では、春を迎えるための生命が静かに動いています。
私たちの信心も同じです。
すぐに願いが叶わず、何も変わっていないように見えるときにも、真剣に勤行・唱題に励み、御法主上人猊下の御指南のもと、寺院参詣と折伏に精進していくならば、私たちの生命は確実に変わっていきます。
やがて、その変化は生活の上にも現れ、自分にとって本当の幸福とは何かを知ることができるようになるのです。
🌸一人でも多くの人に、この希望を
末法の世の中には、正しい仏法を知らず、苦しみの原因も、幸福になる道も分からないまま悩んでいる人が大勢います。
だからこそ、私たちは、自分だけが幸せになればよいのではありません。
苦しんでいる人の話に耳を傾け、その人の幸福を心から願い、日蓮大聖人様の仏法を伝えていくことが大切です。
折伏は、相手を言い負かすためのものではありません。
「この人にも、本当の幸福をつかんでもらいたい」
その慈悲の心から、正しい仏法を教えて差し上げる尊い行いです。
一人の人が正法に目覚め、その人の生命が変われば、家庭が変わり、周囲が変わり、やがて社会をも変えていく力となります。
「大悪起これば、大善来る」
この御金言を胸に、どれほど世の中が混乱し、先の見えない時代になったとしても、私たちは嘆くだけで終わってはなりません。
御本尊様を固く信じ、南無妙法蓮華経と唱え、縁ある人に正法を伝えていく――。
その一歩一歩の実践こそが、大悪を乗り越え、大善を開いていく道なのだと思います。
今、苦しみの中にいるあなたへ。
あなたの人生は、ここで終わりではありません。
今がどれほど寒く、暗い冬であっても、信心を根本に歩み続けるならば、必ず春を迎えることができます。
大悪の時代だからこそ、大善を開く使命があります。
今日も御本尊様に向かい、希望を胸に、一遍一遍、真心を込めてお題目を唱えてまいりましょう。
南無妙法蓮華経
今日の問いかけ
あなたが今、乗り越えたい「冬」は何でしょうか。
その悩みを一人で抱え込まず、御本尊様にすべてを御祈念し、まず今日、自分にできる信心の一歩を踏み出してみませんか。

🌸注意事項
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